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2021年4月

特別な1年を乗り越えて~当麻中学校卒業式

中学校生活において、大きな目標となる大会、行事がある。中体連、体育大会、合唱コンクール、学校祭などである。集大成となる中学3年生にとって、意気込み、思いは特別なもの。だが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、一斉休校、行事の中止・延期、一日中のマスク生活、ソーシャルディスタンス、これまでの学校生活が一変した。

特に卒業生たちにとって、衝撃が大きかったことが、中体連大会やコンクールの中止ではないだろうか。
「春、突然この言葉を伝えられた時、コロナウイルスの恐ろしさを実感しました。目標にしてきたことがなくなってしまったこと、練習の成果を発揮する場面がなくなってしまったこと、3年間の集大成の場を失ったこと…」。卒業生代表の大平泰生さんの言葉に、私は胸が詰まった。その悲しみはあまりにも大きく、残念な出来事であったと思う。

さらに実施が心配された修学旅行だが、竹森茂雄校長先生を先頭に、学校と町教育委員会が連携し感染防止対策を講じ、訪問先施設皆さんの協力もいただき、秋に無事実施できたこと、大変うれしく心よりお礼を申し上げる。
卒業生たちも目を輝かせ、互いの友情を深めながら、共に過ごした特別な時間。忘れられない大切な思い出になったのではないだろうか。
学校祭は文化交流会として開催され、一堂に生徒たちが会したものではないが、合唱は録画したものを流し分散して視聴。コロナ禍にあっても柔軟に対応し、練習の成果を互いに感じ合うことができたと思う。

「絶対に正しい正解など、ないのではないかと思います。壁にぶつかるたびに迷い、悩みながらも、少しずつ前に進んでいきたいと思います。生きるということは、きっと選択の連続です」。
社会と人の流れ、すべての流れを激変させたと言ってもいいであろうコロナ禍。大平さんは力強く前を向き、言葉を続けた。
「当麻中学校での3年間の学びと、大切な思い出。例年とは違う特別な1年間を乗り越えてきたことを胸に刻み、私たち50名は今、新しい世界に力強く歩んでいきたいと思います」。
1組、2組、全50人が保護者に見守られる中、最後に、マスクを着用したまま間隔をとり卒業生合唱。家族への感謝の気持ち、熱心に指導に当たられた先生たちに対する思い、無限の可能性を持つ自身の成長を胸に、爽やかな歌声が会場に響いた。

特別な1年を乗り越えて。ご卒業、おめでとうございます。

 

当麻町長 村椿哲朗(広報紙我が郷土 令和3年4月号掲載)