2024年9月
次世代へつなげ「でんすけすいか」
8月下旬、北海道新聞朝刊全道面にて東記者により、全3連載特集記事「次世代へつなげ~でんすけすいか40周年」が報じられた。生産者からも「大きな励みになる」との声。要約は以下、ありがとうございました。
試作は7千玉以上 生まれながらの絶対エース(上)
2019年に75万円の最高値を記録。今年7月上旬で1万円前後で取引され、価格は一般的な高級スイカの3倍。
「日本一高いが、最高級だから価値がある」。贈答用として需要がある。藤中敏彦さんは「品種が変わり、廃棄数が全然違う。革命的だ」。初代「タヒチ」は雨や寒さに弱く、実に空洞が発生しやすかった。現品種は2代目「DJ-83」、でんすけすいかのためにスイカ種苗会社の萩原農場(奈良県)が2000年ごろ開発を始め、7千玉以上の試作を経て2016年から本格供給する。
規格外でもうまい セコマで人気のアイスバー たどりついた「18%」(中)
福井幸司組合長は「知名度が絶大で、なくてはならない存在だ」と強調。農協選果場検査機器で空洞率と傷の検査、糖度11度以上の合格品のみ出荷される。「規格外品でアイスバーを作りたい」と、コンビニ道内最大手セコマのグループ企業ダイマル乳品が2年間の試作を経て2021年夏に発売、瞬く間に人気商品に。伊林和彦さんは「規格外でもうまいスイカ」と感謝。規格外品をほぼ全量買い取り、廃棄ロス削減や持続可能な農業に寄与するアイス。今夏は9万本製造し、セイコーマート全店で販売。1カ月を経ずに完売した。
広がる経済圏 時代に合わせ「ジュニア」も誕生(下)
町のキャラクター「でんすけくん」誕生10年、考案した町職員の弘中芳春さんは活用の広まりに喜ぶ。農業と福祉が連携した動きも。道の駅とうまでは、就労継続支援B型事業所「ゆい・ゆい本舗」が昨年、果汁入り「すいかクッキー」「すいかシフォン(ケーキ)」発売し、施設利用者の大きな収入源に。生産者は2002年・67戸をピークに、2024年・35戸、最高9万玉生産量も5万玉まで減少。小玉が好まれる需要変化の対応へ昨年「でんすけジュニア」初出荷。外観と食感は変わらず、でんすけすいか出荷作業が一段落後に労働負荷を低減し栽培
できることから、当麻農協は「少しでも生産者が長く栽培を続けられれば」と期待。舟山賢治さんは「10、20年後も産地として続くため、若手支援に力を入れたい」。5年前に就農した最年少の藤中大地さんは「栽培の面白さを伝え、仲間を増やし『でんすけ』を残したい」と誓う。
でんすけすいか40周年。生産者、当麻農協、町が連携し当麻町の顔、必ずや「次世代へ」つないでまいる。
当麻町長 村椿哲朗(広報紙我が郷土 令和6年9月号掲載)