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2021年9月

「社会増38人」人口減少ペースを大きく抑制~「ウッドショック」危機をチャンスに

地方から首都・都市圏への人口流出による、転出者が転入者を大きく上回る社会減をいかに抑制し、進む人口減少を抑えられるか。日本全国での重要課題となっている。
当麻町では総務省の人口動態調査において、2017年に11年ぶり社会増2人に転じ、2018年に社会増26人。2019年は18人の社会減。最新の8月新聞報道で2020年は38人を超える社会増を記録したと、大変嬉しく明るい結果が報じられた。北は音威子府村から南は占冠村まで、広い上川管内23市町村の中で社会増を記録したのは3自治体。24年ぶりの社会増となった旭川市79人、昨年に続く東川町119人、そして当麻町38人であった。
高齢の方の死亡者数が多く、出生者数が少ない自然減の影響が大きく、人口減少は進んでいる。一方で、社会増による人口減少ペースを大きく抑えることができていることは、食育・木育・花育による当麻町ならではのまちづくりが非常に良い方向に進んでいる証であると、私はとらえている。持続可能なまちづくりの実現へ今後も真摯に向き合い、チャレンジしてまいりたい。当麻町で暮らしたい。町産木材を活用し新築住宅を建てたいとの希望をいただいているが、町産材活用促進事業の受け付けを一時中止した。「ウッドショック」の影響だ。
新型コロナウイルスの影響により米国や中国の需要が高まったことから輸入材が調達しにくくなり、住宅業界に深刻な影響を与え始めている状況下、輸入外国産材から国産材への需要が急激に増加。当麻町森林組合製材工場もフル稼働で対応しているが、先の工程で連携する道内の集成材加工工場において、生産能力が追い付かない状況となっている。
当麻町では令和3年度においてコロナ禍にありながらも、町産材活用促進事業に加え、空家解体・町産材活用新築支援セットの新事業「未来へつなぐ宅地循環促進事業」など、順調な流れであったが、相談・受け付け済の17棟ほどで締め切り、町産木材を活用した関連事業受け付けを一時中止することとした。マイホーム新築を希望される方々に対し大変心苦しいが、国際情勢がからむ大きな問題だけにご理解をお願いしたい。
ピンチではあるが国産材に注目が集まるチャンスでもある。北海道が、鈴木知事が強く打ち出した脱炭素化・経済活性化・持続可能な地域づくりを同時に進める「ゼロカーボン北海道」の考えを戦略的に取り入れ、林業振興・木育推進により力を尽くしてまいりたい。
当麻町が体現してきた先駆的な取り組み「地材地消」の理念。今こそ、全道、全国へ。

 

当麻町長 村椿哲朗(広報紙我が郷土 令和3年9月号掲載)