「便り」 富永 仁(緑郷1)
今春、富士山剣ヶ峰のま下、富士宮市の友人(昭和5年5月5日生まれ、私は6年6月6日)から季節の便りの新茶届いたときいつもの字と違うので電話したところ、膵臓結石で入院中とのこと。その後友人から再入院の便り、一カ月後退院。最新医療のおかげできわどいところ、命びろいしたとのことで、患部内視鏡治療状況カラー映像を2枚にコピーしたのと、友人が書いた治療日記のコピー等届く。私も一安心。今は家族に注意されながら体力の回復に努めているとのこと。
私は今年とし明け年齢を感じて、それから、「平家物語」の祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色盛者必衰のことわりをあらわす、のくだり。芭蕉の、夏草やつわもの共が夢の跡、源氏。色は匂へと散りぬるを。のいろは歌。「般若心経」(妻が毎朝仏間で唱えている)の、色即是空、空即是色。時どきふっと頭の中で唱える。
このこと静岡の友人と、今10月北海道ツアー夫妻で巡った、岐阜市の友人に書く。彼は東京生まれで幼い時近くの谷中の墓地が遊び場だったの戦災にあい、戦後開拓の親と数年開明で過し、若い日アメリカ人宣教師について全国を廻ったクリスチャンで、昨年医科大学献体の手続き済ます。
今は友たちとの一年に数回便りの折、お互いの老いの生活それとなくふれてしまう。私も少しでも頭の老化防止に気をひく本にふれているが、静岡はドストエフスキー、岐阜はイタリア政府より国家功労賞授与の、塩野七生「ローマ人の物語」15巻読破中。(私はこのシリーズの「14キリストの勝利」初版本のみ求める)同年代の私には大事業、脱帽。
(2010年新春号・広報とうま掲載文より・第39回エッセー)
私は今年とし明け年齢を感じて、それから、「平家物語」の祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色盛者必衰のことわりをあらわす、のくだり。芭蕉の、夏草やつわもの共が夢の跡、源氏。色は匂へと散りぬるを。のいろは歌。「般若心経」(妻が毎朝仏間で唱えている)の、色即是空、空即是色。時どきふっと頭の中で唱える。
このこと静岡の友人と、今10月北海道ツアー夫妻で巡った、岐阜市の友人に書く。彼は東京生まれで幼い時近くの谷中の墓地が遊び場だったの戦災にあい、戦後開拓の親と数年開明で過し、若い日アメリカ人宣教師について全国を廻ったクリスチャンで、昨年医科大学献体の手続き済ます。
今は友たちとの一年に数回便りの折、お互いの老いの生活それとなくふれてしまう。私も少しでも頭の老化防止に気をひく本にふれているが、静岡はドストエフスキー、岐阜はイタリア政府より国家功労賞授与の、塩野七生「ローマ人の物語」15巻読破中。(私はこのシリーズの「14キリストの勝利」初版本のみ求める)同年代の私には大事業、脱帽。
(2010年新春号・広報とうま掲載文より・第39回エッセー)