「石巻市にピアノを贈って」 門脇 幸夫さん (4西3)
東日本大震災から4年の歳月が流れようとしている。私は、混声合唱団当麻コールデイジーの一員です。
あの時、指揮の先生から「被災地の人たちのために、今私たちにできる事がないか」人的被害の最も大きい「石巻市にピアノを贈ろうではないか。ピアノの音は人を集め、そこに歌が生まれ、歌は心を開かせ癒してくれるはず。」と、熱いご提案があり、趣旨に賛同した旭川市や市近郊、上川管内の合唱団の仲間と『LOVE&PEACE』実行委員会を立ち上げ、3年間、コンサートや募金活動を実施してきた。
当麻町では行政や文化連盟の理解も得て「石巻市にピアノを贈ろう」を合言葉に、生涯学習フェスティバルでの募金活動をしたり、町民の方や商店街の方々の温かい支援もいただき大きな力となった。感謝の心で一杯だ。
さて、先般、皆様の思いが一杯詰まったピアノを『LOVE&PEACE』の仲間と石巻市の子どもたちに届けてきた。壊滅的被害を受けた石巻市の各学校はこれまで分散して授業をしてきたが、今春ようやく改装された湊小学校に統合された。その体育館のステージに私たちが贈ったピアノが大切に置かれ輝いていた。私たちを待つかのように。
しかし、児童たちは新しい学校に馴染めず、校歌も元気に歌おうとせず学校も教師も困っていたという。
そんな中、私たちが最初に歌ったのが統合した「湊小学校校歌」でした。
「北上川のとうとうと…」と、知らない合唱団の人が、自分たちの校歌を大きな声で堂々と歌う姿に児童は驚き感動し、ついには全校児童との大合唱になった。2曲目の「花は咲く」になると、1年生も「知っているよ」と言って元気一杯歌い、高学年の子の目には感動して光るものを見ることができた。
最後に、私たちは復興と平安を願い「大地讃頌」を心を込めて歌った。校長や教師は「こんなに元気な湊小の子どもたちの歌声は聞いたことがない、これで2つの学校が1つになれそうだ。本当に良いきっかけを作っていただいた。」と児童の変容に感動し感謝していた。
学校を出て、帰路のバスに乗ろうとする時、校舎の窓がすべて開いて、子どもたちが一斉に手を振り「ありがとう」の声に団員一同「頑張って来て良かった、来て良かったね!」と互いに胸を熱くし、同時に協力していただいた方々への感謝の思いで北海道に帰ってきた。
あのピアノは、歌の大好きな石巻の子どもたちの心を開き、癒し、末永く響きわたってくれるでしょう。
(2014年10月号・広報とうま掲載文より・第92回エッセー)
あの時、指揮の先生から「被災地の人たちのために、今私たちにできる事がないか」人的被害の最も大きい「石巻市にピアノを贈ろうではないか。ピアノの音は人を集め、そこに歌が生まれ、歌は心を開かせ癒してくれるはず。」と、熱いご提案があり、趣旨に賛同した旭川市や市近郊、上川管内の合唱団の仲間と『LOVE&PEACE』実行委員会を立ち上げ、3年間、コンサートや募金活動を実施してきた。
当麻町では行政や文化連盟の理解も得て「石巻市にピアノを贈ろう」を合言葉に、生涯学習フェスティバルでの募金活動をしたり、町民の方や商店街の方々の温かい支援もいただき大きな力となった。感謝の心で一杯だ。
さて、先般、皆様の思いが一杯詰まったピアノを『LOVE&PEACE』の仲間と石巻市の子どもたちに届けてきた。壊滅的被害を受けた石巻市の各学校はこれまで分散して授業をしてきたが、今春ようやく改装された湊小学校に統合された。その体育館のステージに私たちが贈ったピアノが大切に置かれ輝いていた。私たちを待つかのように。
しかし、児童たちは新しい学校に馴染めず、校歌も元気に歌おうとせず学校も教師も困っていたという。
そんな中、私たちが最初に歌ったのが統合した「湊小学校校歌」でした。
「北上川のとうとうと…」と、知らない合唱団の人が、自分たちの校歌を大きな声で堂々と歌う姿に児童は驚き感動し、ついには全校児童との大合唱になった。2曲目の「花は咲く」になると、1年生も「知っているよ」と言って元気一杯歌い、高学年の子の目には感動して光るものを見ることができた。
最後に、私たちは復興と平安を願い「大地讃頌」を心を込めて歌った。校長や教師は「こんなに元気な湊小の子どもたちの歌声は聞いたことがない、これで2つの学校が1つになれそうだ。本当に良いきっかけを作っていただいた。」と児童の変容に感動し感謝していた。
学校を出て、帰路のバスに乗ろうとする時、校舎の窓がすべて開いて、子どもたちが一斉に手を振り「ありがとう」の声に団員一同「頑張って来て良かった、来て良かったね!」と互いに胸を熱くし、同時に協力していただいた方々への感謝の思いで北海道に帰ってきた。
あのピアノは、歌の大好きな石巻の子どもたちの心を開き、癒し、末永く響きわたってくれるでしょう。
(2014年10月号・広報とうま掲載文より・第92回エッセー)