「新しい家族」  橋 早苗さん(4西3)

 私が当麻に戻ってきてから、早いものでもう1年が経ちました。4年間の大学生活を送った札幌市とのギャップにはまだ慣れませんが、小さい頃から続けてきた音楽を活かすピアノ講師の仕事をさせていただき、この町での生活を楽しんでいます。
 そして、私が実家に帰ってきたのと同時に新しい家族が我が家にやってきました。そう、念願のペット、猫を飼う事になったのです。耳が茶色なので、名前は“ちゃみ”といいます。1歳になったばかりの女の子です。
 もらってきた当初は白かったのですが、最近は全体的に茶色くなってきた上になんだかトラっぽい模様まで出てきて大福みたいになりました。猫という生き物は気まぐれでよくわからないなぁと思いながらも、親ばかならぬ猫ばかで、可愛いからとついつい猫じゃらしを握ってしまいます。
 昨年は社会人として右も左もわからないことだらけで、職場でも迷惑をかけ、家族にも迷惑をかけ、何回も「もう全部投げ出して学生に戻りたい」と思ってばかりいましたが、のほほんとピアノの上で寝てばかりのちゃみを見ていると「大丈夫まだいける!」と根拠のないやる気が沸いてきて、なんとか逃げずに2度目の春を迎えることができました(実は当麻の冬が札幌に比べると格段に寒くて、それだけでもかなりきつかったのは秘密です)。
家で仕事をしていると、気付けば書いたばかりの楽譜の上に乗ってめちゃくちゃにしていたり、楽器の上を歩いて足跡を付けたり、壁紙を剥がし背中に飛び乗ったりとやんちゃで騒がしいちゃみですが、これからも家族として仲良くしていきたいと思います。
 最近ちょっと太ってきたから、一緒におやつは我慢しようね(笑)

(2013年8月号・広報とうま掲載文より・第79回エッセー)