「初心忘れず」 斉藤貴幸さん(3東3)
4月、新しい門出の春。私が勤める会社にも新入職員が入ってきた。社内の広報に、たぶん履歴書に使われていたであろう写真と一緒に名前と出身学校が紹介されていた。しっかりとした眼差しで何処と無く緊張した面持ちの写真を見ていると、23年前にやはり彼らと同じく緊張していた自分を思い出す。
私が新人で配属された部署は社内でも有数の忙しい職場で、入社当初から帰宅はいつも深夜であった。入る会社を間違えたと思っても後の祭りで、とにかく仕事を覚えるのに精一杯であったことを憶えている。忙しい職場が故、上司や先輩に教えを乞うのも難しく、自分でマニュアルや事務基準書を見ながら、時には見よう見真似で仕事を覚えたことから失敗も沢山した。その度に厳しく叱られ、また叱られるのが嫌で一生懸命仕事を覚えてきたようにも思う。
一昨年、人材育成のコーチング研修を受講する機会があった。その講師によれば山本五十六氏の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」の精神が若者の指導には大切だと言う。物心ついた時からインターネットやSNSがあることからコミュニケーションの質も昔と違っており教え方にも工夫がいるが、重要な仕事の一つとして我慢強く関わる事が必要なのだそうだ。
今と昔、社内教育の手法は異なるが、結局最後は本人の「やる気」であることは変わりないと思う。「人生は心一つの置きどころ」。何年経とうとも初心を忘れず、常に成長していく気持ちで毎日を過ごさなくてはならないと、新入社員の写真を眺めて思った。
(2019年4月号・広報とうま掲載文より・第141回エッセー)
私が新人で配属された部署は社内でも有数の忙しい職場で、入社当初から帰宅はいつも深夜であった。入る会社を間違えたと思っても後の祭りで、とにかく仕事を覚えるのに精一杯であったことを憶えている。忙しい職場が故、上司や先輩に教えを乞うのも難しく、自分でマニュアルや事務基準書を見ながら、時には見よう見真似で仕事を覚えたことから失敗も沢山した。その度に厳しく叱られ、また叱られるのが嫌で一生懸命仕事を覚えてきたようにも思う。
一昨年、人材育成のコーチング研修を受講する機会があった。その講師によれば山本五十六氏の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」の精神が若者の指導には大切だと言う。物心ついた時からインターネットやSNSがあることからコミュニケーションの質も昔と違っており教え方にも工夫がいるが、重要な仕事の一つとして我慢強く関わる事が必要なのだそうだ。
今と昔、社内教育の手法は異なるが、結局最後は本人の「やる気」であることは変わりないと思う。「人生は心一つの置きどころ」。何年経とうとも初心を忘れず、常に成長していく気持ちで毎日を過ごさなくてはならないと、新入社員の写真を眺めて思った。
(2019年4月号・広報とうま掲載文より・第141回エッセー)