「子供の成長 」 加藤敏浩さん(中2)

私の息子が、つい先日、推薦入学ではありますが、無事志望高校に合格することができました。
思い起こせば15年前、我が家の長男として誕生し、幼稚園の頃から大好きなサッカーを始めて中学3年のぎりぎりまで頑張っていました。
夢中になりすぎて勉強が疎かになっていたのは否めないですが、それを本人も自覚していたのか、自ら塾に行きたいと言い出し、中学2年になってすぐに塾に通うようになりました。
毎日遅くまでグランドで走り回り、週3回夜の10時位まで塾で勉強する生活が始まってからは、家に帰ってきたら疲れ切ってソファですぐに寝てしまう日が続いたのを今でも覚えています。
普段はお調子者で、面倒くさがりな息子は「疲れた」「行きたくない」とはよく言っていたが「やめたい」とは、一度も言いませんでした。
もともと勉強嫌いな息子ですが「やめたい」と言わなかっただけ、本気なのが伝わってきて、親としては出来るだけのことをしてやるだけでした。今更勉強を教えるわけにもいかず、試合や遠征、塾への送り迎えしか出来なかった訳ですが、晴れて合格通知が届いた時の息子の笑顔が、本当にうれしそうで、とても印象的でした。
親の苦労を知ってかどうかわかりませんが、ついこの間、小声で照れくさそうに「色々とありがとう」と一言。その時、やっとこれまでの苦労が報われた気がしたのと同時に、子供が少しは成長したのかなぁ、と思った瞬間でした。


(2019年3月号・広報とうま掲載文より・第140回エッセー)