「平成の大合併から10年、まちづくりに思う」(平成29年5月号掲載)

合併特別法が制定され、“それ合併、やれ合併”と市町村を責め続けていた10年前を思い起こしている。
過ぎ去れば、随分遠い時代であったような気がしてしまう。
国が目指していた千程度の自治体数には及ばなかったものの、約3,400あった市町村は、半分程度まで絞り込まれてしまった。
例年11月に、全国町村長大会がNHKホールで開催される。町長就任当時は、あの広さを誇るNHKホールも、ほぼ全席町村長で埋め尽くされていたが、昨今は半席程度しか埋まらず、合併推進のすさまじさを思い知らされる。
わが町では、全ての機関が合併への道を選択しなかったことも管内まれであり、町行政と一体となり町民サービスに努めていただいている。
JA・土地改良区・森林組合と、合併の道を選択しなかったことは賢明な判断であり、町と同一行動をとっていただいていることに感謝申し上げたい。
それぞれの団体は、単に合併の道へ進まなかったことではなく、他の町にはない先駆的な運営をされている。
JAが取り組まれている施設整備は、積極的な販売戦略の要であり、見える化へのこだわりは、消費者の皆さまに安心安全な当麻農業を確認していただけると信じてやまない。
新精米施設の誕生により、八王子市のスーパーのみならず、群馬県館林市のスーパーに販路が拡大されたことは、誠にうれしいことである。
土地改良区も、町内各地域で水田の区画整備が進んでいる。
当麻ダムの改修も完成を迎え、国営事業による導水幹線用水路の改修工事も急ピッチで進められている。
町の地域材活用政策とスクラムを組んで、森林組合も大活躍していただいている。
山を守り、育て、活用していく、同じ目標のもと汗を流しての活動である。近年、若手職員が多数採用され、林業振興に取り組まれていることは特筆されることである。
当麻町の基幹を支えていただいているそれぞれの団体が、農林業合同事務所を舞台に、額を集め知恵を寄せ合う姿は当麻の力を感じる。
北国にも待望の春である。
例年より早い桜の開花に心癒やされ、水田を走り回る農機具の音は、当麻農業躍動の音色である。
先人が切り拓いた美田に感謝し、次を担う子どもたちに、農業林業を通じ、心を育むまちづくりを伝えてまいりたい。
今日は5月10日。
125年目の開町記念日である。

(平成29年5月号・広報とうま掲載コーナー・第153回随筆)