昭和の香り漂う新庁舎を…(平成28年10月号掲載)

念願であった新庁舎の建て替えに向けて、スタートを切ることができた。
建設費を極力圧縮すべく、買取り型プロポーザルで公募を行った結果、このたび新庁舎の姿があらわになった。
業者の選定に当たり、町民代表9人、役場内部より7人の検討委員には、計画段階から業者の決定まで、真剣にご検討いただき心から感謝申し上げたい。
=百年を超える歴史ある町に、これからの百年を見据えフロンティアスピリッツあふれる、「当麻の顔」となる新庁舎を実現します=
百年使用可能なオール木造による新庁舎の提案である。
「当麻町では、公営住宅・子育て総合支援センター・公民館まとまーる・くるみなの木遊館と、木材活用の実績を重ねている。町の貴重な財産である、森林資源を生かす取り組みが積極的に進められている。今回の庁舎建築が、公共建築だけではなく、一般の施設建築を無理なく木造化・木質化ができるモデルケースとしてアピールし、当麻町をさらに活性化する機会につなげたい。」提案された未来像は明解である。
公募に当たり私は次のことをお願いした。
「豪華な庁舎は望んでいない。温かみのある、町民にとって利用しやすい建物であること。単に庁舎を建て替えるのではなく、町民サービスの向上につながる建物であること。」
当然、地域材をふんだんに使い、地震に強く、木の香りに包まれた当麻らしい庁舎の誕生であることは言うまでもない。
特に議員各位のご理解をいただき、議事堂・議会委員会室を固定化せず、町民への開放利用可能な会議室として活用できるのも、画期的な利用方法である。
田んぼの学校を望むこの地で、子どもたちが木育・花育を体験できるスペースも確保してまいりたい。
歴史をさかのぼれば大正15年、林路一村長は、当時としては極めて高額であり、近村唯一の恒久的な建築として役場を建築された、と町史に記されている。
おそらく、近村の羡望の的であったことは想像に難くない。
今回は、当時のコンクリート造りから時代を戻し、オール木造化した当麻町産材の役場庁舎が誕生する。
特に執務室は、大断面の大空間ではなく、柱がズラリと立ち並ぶ、全国的にまれな在来工法による建築である。
カラマツの香りが、漂ってくるようで、今から心が踊る。
コンクリートでは味わえない木の優しさと、おもてなしの心を届けるサービスの館となることを願って
いる。

(平成28年10月号・広報とうま掲載コーナー・第148回随筆)