「当たり前」の中にある優しさと思いやり(平成28年7月号掲載)

 当麻小学校の学校だよりに、「あったかい話」3題が掲載されていた。
「声が出ない夫に、小学生の子がいつも『おはようございます』とあいさつしてくれる。夫が返せないのが申し訳ないとその子に伝えたが、その後もずっと『おはようございます』とあいさつしてくれる」うれしい気持ちを涙とともに教えてくれたお話。
「校門前で高学年の子に道を尋ねたが、連れて行ってあげると荷物を持ってくれ、横断歩道ではしっかり支えてくれた」感謝の気持ちを電話で伝えてくれたご婦人のこと。
当麻小学校で2週間程度勤務された新任の先生が、玄関前でたくさんの子が「おはようございます」と元気にあいさつしてくれ、いっぺんに緊張がほぐれたエピソード。
五十嵐校長から、その時々の様子が紹介されている。
「優しさ、思いやりというのは『当たり前』の中にたくさんあるのだなと、あらためて子どもたちに気付かされました」
五十嵐校長のコメントも、いつもどおり優しく温かい。
思い起こせば、この“町長室の窓から”がスタートした翌月号で、「思いやりのことば」を書かせていただいた。
八十路を越えた男性の方が町長室を訪れ、「家の前で除雪をしていたら、小学生の1人が『こんにちは。除雪ごくろうさんです』と、大きな声を掛けてくれた。優しいあいさつに胸が熱くなり、こんな思いやりの子どもがいる町に住んで幸せだ」と、涙を流しながら、うれしい気持ちを私に届けてくれたものである。
あの日から14年の歳月が過ぎ去ったが、同じ話題でペンを走らさせていただけること、誠にうれしく町の行く末に光が射している気持ちで
いる。
当時訪れていただいた老人は、すでに鬼籍に入られているが、千の風になりどこかで子どもたちの光景を見て、ほほ笑んでいることと思う。
昨今、軽率な言葉により相手を傷つけたり、発した人の人格が疑われる場面が数多く見受けられる。反面、人の心を温め豊かに満たしてくれるのも言葉であることを、子どもたちは教えてくれている。

人の言葉に人は傷つき
人の言葉に人は癒される
他人を思いやり 心して
言葉を慎みたい

しっかり胸に刻み込み、命の温もりと優しさを感じる町づくりを進めてまいりたい。

(平成28年7月号・広報とうま掲載コーナー・第145回随筆)