当麻農業の未来を創造する(平成28年4月号掲載)

「当麻農業の未来創造に関する建議書」が、当麻町と当麻農業協同組合に提出された。
若手農業者に加え商工業界から青年2名、子育て世代の農業主婦2名、13名の精鋭で構成された当麻農業未来創造TEAMからの建議である。
当麻農業の主幹である稲作園芸の衰退を未然に防ぎ、押し寄せる課題にどう立ち向かっていくべきか、3年にわたり議論を重ねた提案書でもある。
3カ年で実に30回の会議を重ね、全国の先進事例を含め15カ所の視察を終えての建議内容は、極めて先駆的であり13名の意欲がその行間ににじみ出ている。
初回の視察が行われた平成25年、私も東京の視察先まで同行させていただいた。
国土交通省北海道局では、国の予算の組み立てと農業予算の展望を学び、農林水産省では大臣政務官と、当面する農業課題について意見を交わすことができた。
議員会館にも足を運び、関わりの深い代議士と懇談する機会も設けたものである。
チームのメンバーにとっては初めて足を踏み入れる世界であり、農業と霞ケ関との距離感を肌身で感じ取られたことと思う。
あれから3年、農業の将来像はさらに不透明感が漂うことに心が痛む。
近年の農作物価格の低迷・農業者の高齢化や後継者不足など、農業を取り巻く問題が多様化し、さらに大筋合意に至ったTPPといった新たな不安材料が発生した中、危機意識に乗っ取って提案されたその内容は、4点に集約されている。
農産物の生産態勢・販売戦略・担い手と労働力の確保・町内組織および他産業との連携と続く。
私はJAの皆さまと共に、大阪・名古屋・東京・釧路・札幌・旭川と全国の市場を回らさせていただいているが、我が町の優良農産物をどう販売戦略につなげていけるのか、いつも大きな課題と捉えている。
建議書は、顔の見える販売戦略についても熱く訴えられている。
「当麻の優良米は、一部を除き『北海道産米』になってしまう。『当麻米』で消費者に届けてほしいし、“おいしい!また食べたい!”との声は励みになる。」
一つ一つの提言は、“JAと共に頑張れ、しっかり頼むぞ”と私の背中を押してくれている。
町長室に射し込む陽光は春近しである。北国でしか味わえない土の匂いと春の喜びは、手の届くところまで来ている。

(平成28年4月号・広報とうま掲載コーナー・第142回随筆)