地域活用と木造新庁舎建設に想う(平成28年3月号掲載)

我が国はフィンランド、スウェーデンに続く世界第三位の森林大国である。
旧石器時代から縄文時代を経て、人々は森の恵みを受けながら生活し、木の文化を築いて今日を迎えている。
しかし、国産材の需要の低下に伴い、森林に手入れする費用を賄えず山は荒廃の道を歩んでいる。木は使うべき時を迎えているのに、使われずに放置されてると言っても過言ではない。
このことを憂い、当麻町では平成22年から、公営住宅の木造化に踏み切り、子育て支援拠点施設・公民館まとまーるの建設と、地域材を活用した取り組みを進めている。
加えてこの4月には、国の交付金事業を活用した木育推進拠点施設のオープンを控えている。
国も歩みを同じくして、「公共建築物等木材利用促進法」を定め国産材活用促進に向けて、やっと重い腰を上げた。
新国立競技場には、可能な限り国産材を活用するとの報道にも驚く。
さらに、今春から富良野市の東大演習林を教育を目的に開放し、子どもたちが地元の自然を学び、ふるさとにより愛着を持ってもらうと語られている。
すでに我が町が取り組んでいる、「くるみなの散歩道」と理念が同じことに心がほころぶ。
いち早く取り組んでいる、地域材活用と木育推進が、間違いではなかったと自負している。
地域材活用の集大成として、新年度は役場庁舎の建て替えを計画している。
町史をひも解くと、大正15年林路一村長は巨費を投じ鉄筋コンクリート造の旧庁舎を建設、昭和48年には塚本豊町長が、福祉会館を併設した上川管内唯一の庁舎を建設と記されている。
私事になるが、旧庁舎に設置されていた商工会事務局の職員として利用させていただいたのを皮切りに、庁舎三代にわたり勤務できる歴史の巡り合わせに、感謝の念で一杯である。
大正15年当時、近村初の鉄筋コンクリート造りの庁舎から、今回は近隣初のオール木造造り庁舎への変貌である。
豪華さを求めるのではなく、永く愛される町産材100%使用の町民の館が誕生することを願っている。
町の大切な財産である山を育て、地域材をさらに活用すべく、新年度から“林業活性課“もスタートする。文字どおり、林業の活性化を願いながら…。

(平成28年3月号・広報とうま掲載コーナー・第141回随筆)