一票に託された思いをかみしめながら…(平成28年2月号掲載)

「食」という大切な命をいただき、風雪に耐え育った「木」を活用し、可憐に咲き誇る「花」に癒される町づくりを進めている。
「食育・木育・花育」を通じ、未来を担う子どもたちとともに命の尊さを見つめ直し、当麻町ならではの豊かな心を育くんでいく新しい年がスタートした。
この意味深い年に、町民の皆さまは五期目の私を町長として選んでいただいた。
五期を全うすると、20年間の長きにわたり町づくりを私に託してくれたことに、感謝の気持ちと重い責任感でいっぱいである。
長いだけの経験に甘えることなく、おごることなく、あの日の初心を忘れることなく、さらに当麻町が良い町になるよう力を尽くしていく覚悟である。
思い起こせば16年前、あの日の投票日は猛吹雪であった。
当選の喜び冷めやらぬある日、某投票所の投票立会人を担っていただいた、某小学校の校長先生から次のような言葉を頂戴した。
私は16年間、ひとときもこの言葉を忘れることなく、町長室の窓からまちを眺めている。
「当日、私は某地区の投票立会人として任務についていた。
猛吹雪に見舞われた一日だったが、次の4年間の町づくりを誰に託すか、真剣な眼差しで住民の方は投票されていた。
特に一人の老婦人が、雪まみれになり杖をつきながらやっとの思いで投票所にたどり着かれた。投票を終えられ、吹雪の中杖をつかれて帰る後ろ姿に、私は強く心打たれた。
4年間、真面目に一生懸命やっていただかないと、この老婦人をはじめ投票された方に申し訳ないと思う。
町長、肝に銘じて、町民の幸せのために頑張ってほしい。」
この老婦人の名を知る由もないが、当日の投票光景はしっかりと想像できる。
四期16年間、この日の光景をひとときも忘れることなく心の中に焼きつけている。
弱気になりくじけそうになった時には自らを奮い立たせ、傲慢になった時には戒め、今日まで歩んで来た。
この先4年間も、この思いは変わることはない。
私を信じ、町の未来を託していただいたご厚意に、当選を重ねるごとに感謝の気持ちが募る。
今、町が進めている“ふる里を愛する心を育くむ”心の教育の取り組みは、16年前のあの時がスタートである

(平成28年2月号・広報とうま掲載コーナー・第140回随筆)