公民館“まとまーる”が林野庁長官表彰に輝いた理由(平成26年9月号掲載)

 「当麻町公民館“まとまーる”、利用目的は単純なものであるが、地域材が建物全体に有効に活用されている。特に、地域材で制作された家具が、建物と見事に調和している。」審査講評が、木材に包まれた会場に響き渡る。
 平成26年度木材利用優良施設の表彰式が、去る7月30日、東京都新木場の木材会館で執り行われた。私は、ちょうど29日まで上京の予定が入っていたので、1日滞在を延ばし2人の担当職員共々、晴れの受賞式に臨(のぞ)んできた。
 農林水産大臣賞1点(愛知県)、林野庁長官賞3点(北海道・秋田県・静岡県)の4点の作品のうち、“まとまーる”が選ばれたことは、誠に大きな喜びである。34都道府県から選出された、107点の応募作品はいずれも甲乙付けがたく、7名の審査委員は大変苦労されたと、審査委員長の神山幸弘早稲田大学名誉教授(工学博士)は話されていた。
 先人が残していただいた町産材を大切に活用する、その基本的な姿勢が評価されたことは嬉しい限りである。地域材を愛する気持ち、素材の特長を最大限生かした設計と技術、“まとまーる”という温かいネーミング、全てが審査員の心を捕えたことと思う。
 式典では、今井敏林野庁長官から直接表彰状を頂戴したが、文部科学省の山中伸一事務次官が、懇親会の最後まで同席されていたのには驚いた。教育施設の木造化に敬意を表するとの同席理由を聞き、木材活用の重みを改めて心の中に刻み込んだ。
 “まとまーる”で利用している内装材・家具材は樹齢150年を越える命をいただいている。町の歴史と共に歩んでこられた命に感謝し、大切に使っていかなければと肝に銘じている。
 平成24年「2012北の地域住宅賞」での北海道知事賞、平成25年「良好な住環境の推進に尽力された功績」による国土交通大臣表彰、そして本年の林野庁長官賞と、3カ年連続のビッグな受賞を町民各位と共にその喜びを分かち合いたい。
 真夏の東京は今年も暑かった。受賞の嬉しさは、この表彰状と共に当麻町にしっかりと持ち帰らねばと思うと、その暑さも心地良く感じられた。受賞祝賀会も終わりを告げ、陽も落ちた東京の夜風は、帰路につく我々3人のホホを優しく祝福してくれていた。

(平成26年9月号・広報とうま掲載コーナー・第127回随筆)