ラジオ体操・みんなの体操会(平成26年8月号掲載)

 「新しい朝が来た 希望の朝だ 喜びに胸を開け 大空仰げ…」馴染み深い『ラジオ体操の歌』に乗って、みんなの体操会は始まった。
 澄み渡った青空、深呼吸すると胸の奥まで染み込むような朝の空気。NHKラジオ体操・みんなの体操会は当麻小学校グランドで開催され、1100人の参加者の心意気は全国に伝わったことと思う。
体操指導者多胡肇氏は、こう町を紹介されていた。
 「今朝の夏季巡回ラジオ体操は、北海道当麻町からお送りします。人口はおよそ七千、稲作を中心に農業が盛んなまちで、黒い皮が特徴のスイカ“でんすけすいか”は全国的にも知られるまち自慢の特産品です。」
 この一言で、1100人の参加者は同じ電波に乗っているような高揚感(こうようかん)に包まれる。開会前、私はこんな挨拶をさせていただいた。
 「みんなの体操会を当麻町で開催していただけること大変嬉しく思う。先日のNHK昼ブラのでんすけすいか、昨日のBSプレミアムこころ旅での全国放映、そして今日の全国放送、まさに全国発信三連発です。孫に『爺ちゃんNHKのラジオ体操会を当麻町で行うのは一生に一回なんだよ』と言われた。昭和3年にスタートしたこの体操も、86年の歳月を数えているが、当麻町では初の開催を考えると、やはり一生に一回の出来事かも知れません。」
 発足以来この事業を支えていただいている(株)かんぽ生命保険発行の書籍によると、“昭和3年に、昭和天皇の即位御大典の祝典が挙行されることになっていたので、天皇殿下に奉納される意味でラジオ体操が開始された”と記されている。
 途中、終戦を機に昭和20年8月15日-8月22日まで中止されている。その後、私たちに馴染み深いラジオ体操は、戦後の改訂版として再スタートした。こう考えてみると、ラジオ体操は昭和と平成の歴史そのものである。
 当日の生放送は、午前6時30分から10分間程度であったが、中継前の体操、終了後のワンポイントレッスンと、40分ほど体を動かすこととなった。
 翌朝、フクラハギとモモの裏側に心地良い疲労感が残っていた。ラジオ体操のせいにするのは気恥ずかしいが、ラジオ体操恐るべしである。

(平成26年8月号・広報とうま掲載コーナー・第126回随筆)