農の成り立ちを学ぶ田んぼの学校(平成26年6月号掲載)

 木の香り優しく私たちを迎えてくれる新公民館「まとまーる」、夕陽を背にしてたたずむ姿は実に美しい。その隣地に、「田んぼの学校」の整備に向けて、今、準備を進めている。
 地権者のみなさまのご理解をいただき、1.9haの土地を取得し、うち1.3haを学びの水田として活用する予定である。子どもたちが、田植えから収穫までを体験できる「食育圃場(ほじょう)」として整備し、小中学校で利用するすべての米を賄(まかな)う計画である。
 親子の学びの場として、木造の農舎も併せて姿を現す。まとまーるから、ガラス越しに見せる田んぼと農舎の風景を思い浮かべると、心が躍る。
 食べものは、太陽と土や水など自然の恵みを受けて育ち、農家のみなさまの苦労の積み重ねで食することができることを、田んぼの学校を通じて学んでほしい。
 先日、北海道新聞読者の声に、札幌の会社役員の方がこんな記事を投稿されていた。
 「北海道有数の稲作地帯の当麻町が、町役場に隣接する場所に水田を造ると聞きました。来年から町内の小中学生に田植えや草取り、稲刈りを体験学習させて、そこで収穫したおコメで自分たちの学校の給食のご飯を賄う『田んぼの学校』を目指すといいます。(中略) 当麻の子どもたちが、そんな体験とともに、自分たちで収穫したおコメを食べられるのは、本当にうらやましいことです。このような大規模な『食育』が根付けば、ふるさとを大事にする心が育ち、町を活性化する起爆剤になるのではないでしょうか。大いに期待しています。」
 先の道議会においても、我が町の取り組みに対し、議員から道の見解を問われ、立川教育長は「食の大切さを理解させ感謝の念を育む上で、大変意義のあるもの。このような取組が、道内のより多くの地域で展開されるよう、積極的に情報提供を行っていく」と答えられている。
 期待と注目が高まれば高まるほど、責任の重さも増してくる。大規模な食育圃場は全国初の試みであり、職員は計画作りに連日汗を流し知恵を絞っている。
お米や野菜・果物は、いきなりお店に並ぶものではない。春の寒さに耐え、夏の暑さをしのぎ、農家のみなさまが家族と共に汗した結晶が運ばれてきたものである。貴重な農の成り立ちを、子どもたちと共に学んでまいりたい。

(平成26年6月号・広報とうま掲載コーナー・第124回随筆)