大詰めを迎えた、市町村合併(平成20年8月号掲載)

 市町村合併特別法の新法が、再来年の3月をもって期限切れを迎える。
 5年前に合併特別法の期限が切れ、国はさらに市町村合併を押し進めるべく制定されたのが今回の新法である。今のところ全国の市町村数は、期限内1,700を切るかどうかの瀬戸際である。
 国が目論んでいた、1,000程度に絞り込もうとしていた数には到底届きそうにないが、約半分程度まで減った姿で平成の大合併は終えんを迎えるのではと思っている。
 目の前にぶら下がった「あめ」は想像以上に甘く、これでもか、これでもかというぐらい厳しいムチが飛んできた今回の合併推進であった。それでも道内多くの市町村は、合併ではなく自立のまちづくりを選択した。この数字だけをとらえ、北海道は合併が遅れていると事あるごとに指摘され続けている。
 なぜ自立の道を選択するのか。答えは明白である。合併のメリットよりデメリットの方が多く、町民サービスと町の活力が低下するからである。財政の厳しさは、がまんと努力で乗り切ることができるが、合併により町の魅力が失われては取り返しがつかないことになってしまう。
 平成11年当時、町の一般会計予算は65億円であったが、本年度の予算は37億5千万円まで圧縮させていただいている。まさに、自立していける規模の平成20年度予算である。
 赤字施設の運営見直し、全ての分野に渡る財政改革、職員数の大幅削減等、できるものは徹底的に手を付けてきた感であるが、これ一重に、町民皆様のご理解あってのものと感謝申し上げたい。
 先日、町民の方からこんな言葉をいただくことができた。「先日、役場窓口で申請の手続きに行ってきたが、大変親切に対応してくれてうれしかった。職員の数が大幅に少なくなっているが、サービスは数の問題ではないと思う。親切な対応は、町民にとってなによりのサービスである」。
 厳しいお言葉やご指導をいただくことの多い役場運営であるが、こんなお言葉をいただいた時は一番心が和む。北国の夏は今盛りである。稲穂が出揃った水田風景を背に、最後の力を振り絞る様に紅に染めながら陽は落ちていく。
平和な一日に感謝し今日も終わりを告げようとしている。

(平成20年8月号・広報とうま掲載コーナー・第66回随筆)