成人を祝う会(平成21年2月号掲載)

 平成21年の成人を祝う会は、1月11日、町福祉会館で執り行われた。
60名の新成人が一同に会し、厳粛な中にも和やかなお祝いの会であった。我が町の行事の中で、一番華やかで希望に満ちあふれた一日である。
 例年そうであるが、どこかの荒れる成人式とは違い、お互いに再会を喜び、晴れの門出を祝う会場には、青年の夢香るさわやかな空気が流れていた。
 一人ひとりの姿を拝見する時、学業にスポーツに文化活動にと、汗とともに流した涙の数々が、中学校時代の思い出として、走馬灯の様に心中を去来するのである。
 感動的であった卒業式から数えること5年。美しい涙とともに旅立たれ、立派に成長された面々と再会できることは、心が躍り、ことのほかうれしい。
 当日私は、新成人にこんな言葉を贈らせていただいた。
 『ここにお集まりの新成人の皆様は、当麻町で生まれ育った方、縁があって当麻町にお越しいただいた方、さまざまであるが、全ての皆様が当麻町の宝である。社会情勢極めて混とんとした昨今であるが、これからの人生夢を掲げ、その夢を追い求めてほしい。日本経済も大きく落ち込み、あれはダメ、これもイケナイという声ばかり届いてくるが、日本の良いところをもう一度見つめ直し、勇気と誇りを持って歩んでほしい。
 私は、 ”世界がもし100人の村だったら” という本を書かれた池田香代子さんの話を聞く機会を得た。世界の人口67億人を100人に置き換えると、食べる物に困っている人が25人、安全な空気やきれいな水が飲めない人が17人いるという。出生を届けられていない子どもが、55人以上もいる。基礎的な医療や教育を受けることができない人が、半数以上いるという現実を考えるとき、我々が今、置かれている環境に感謝し、日本に誇りと自信を持って、長い人生をしっかり歩んでほしい』。
 全員が顔を上げ、真剣な眼差しで聞いてくれる姿勢に、私の気持ちも引き締まる。その顔は生き生きと輝いている。祝う会の終わりに、町特産のバラの花束を手に、60名の新成人は会場を後にした。
若い歓声と、喜びの余韻が残った会場で、健康で幸多い人生であることを祈った。

(平成21年2月号・広報とうま掲載コーナー・第70回随筆)