優しく、温かく――キャンドルライトフェスティバル(平成22年3月号掲載)

 近年になく厳しい寒さが続いていたが、歴史公園を舞台に開催された「キャンドルライトフェスティバル」は、訪れた方々に爽やかな優しさとぬくもりを伝えてくれた。
 「歴史公園にせっかくきれいなイルミネーションが灯ったのだから、せめて一日、あの会場でイベントを開催したら」との町民の声を受け、町内の若者グループ『青年会議』が立ち上がってくれた。
 商工会青年部、農協青年部、役場や消防・土地改良区など、会員の所属団体はまちまちであるが思いは一緒である。「若い青年の力でこの町を盛り上げたい。青年だからできることがある」。岸山尚弘議長のもとに、各々の心は一つにまとまった。
 メンバーや町民が持ち寄ったアイスキャンドルは光り輝き、雪玉を重ねて作ったスノーランタンの灯りは柔らかく、温かい。幼児や小学生が、将来の夢を書いた紙コップの中で揺れる灯りはいかにもほのぼのとしている。揺れる灯りは「夢よかなえ」と後を押している。「スポーツ選手になりたい、オリンピックに出場したい、普通の大人になりたい、先生になりたい、医者になりたい」描く夢も千差万別。「お父さんの後を継いで農業でがんばりたい」その言葉に、当麻農業の力強さが伝わってくる。
 優しい気持ちもたくさん並ぶ。「お父さんお母さん長生きしてください」「やさしい心を持った人になりたい」「あらそいをやめて世界が平和でありますように」子どもたちの夢と願いを乗せて、優しく温かい灯りは一つの大きな輪となって結ばれていた。
 青年の心意気に共鳴し、女性団体連絡協議会の皆様が作っていただいたおしるこも一際(ひときわ)おいしかった。応援したいとの気持ちは、おしるこの甘さにしっかりと溶け込んでいた。会場でかけていただいた声もうれしかった。「若い者ががんばってイベントを立ち上げてくれたんだから、我々も何かお手伝いしてあげたいネ」――その言葉を受けて、キャンドルは一層輝いて見えた。
 苦労しただけ反省会も盛り上がる。「せっかく立ち上げたのだから来年もがんばろう」「やっている者が楽しまなければ来てくれる人も楽しくない。楽しかった」「来場者の笑顔を見たら苦労も吹き飛んだ」一人一人のスピーチに、乾杯と拍手が何度も繰り返され、章月会館の夜は更けていく。「やって良かったス。成功して安心した」岸山議長の、体型に似合わずふっと口から漏れたか細い声。それは、その責任の重さと大きな達成感の表れだったのだろう。

(平成22年3月号・広報とうま掲載コーナー・第81回随筆)