「三井住友海上女子柔道部当麻合宿に思う」(平成22年9月号掲載)

 三井住友海上女子柔道部の夏期合宿を、夏盛りの8月、当麻町で行っていただいた。
アトランタオリンピック金メダルの恵本裕子選手、アテネ・北京オリンピックで金メダル二連覇に輝いた上野雅恵選手を育てあげた、名門チームである。
 恵本さんは我が町の出身である。上野さんご両親には柔道少年団が大変お世話になっており、三井住友海上さんと当麻町は良いご縁をいただいていると思っていた。
 2年前の9月、上野雅恵選手の金メダル報告会・祝勝会が開催され、初めて柳澤久監督にお目にかかりご挨拶させていただいた。
 その折、厚かましく「ぜひ当麻町で合宿をやってください!!」と直訴したことを思い起こすが、こんなに早く実現するとは夢にも思っていなかった。
 上野法美さん・和香子さんご夫妻、川上裕一さんをはじめとする柔道少年団の熱意のお陰であり、心から感謝申し上げたい。
 現役を退いた雅恵さんはコーチとして、中学校時代まで当麻町で練習を積まれた順恵選手(二女)、巴恵選手(三女)も揃って来町いただいた。北京オリンピック銅メダルの中村美里選手、数々の国際大会や全日本選抜大会で優勝しながらオリンピック出場が叶わなかった山岸絵美選手はじめ、国内一流選手の揃い踏みであった。
 2年振りにお会いした雅恵さんの顔が、非常にスリムになったことに驚いた。
 「選手時代と体重は変わっていないが、顔の筋肉が落ちてスリムに見えるのでしょう」との言葉に息を呑む。顔の筋肉まで鍛え込む激しい練習と戦いに、改めて柔道の厳しさを思い知らされた。
 柳澤監督の言葉が後を押す。「雅恵選手は、オリンピック二連覇をしているが、単なる2つの金メダルではない。アテネで決めた技と北京で決めた技は全部違っている。世界の全選手が雅恵を目標に研究してきているので、同じ技では勝つことができない。雅恵には研究されたその上をいく練習があった」。
 柔道は素質と努力、どちらが優先するのか、との愚問を投げかけてみた。「素質はあったことにこしたことはないが、圧倒的に努力である。素質を開花させるのも練習の量以外には無い」。合宿での選手の姿を見て納得した。
 ”金メダルおめでとう。三井住友海上○○選手” 2年後のオリンピック、たくさんの選手の名が庁舎に垂れ下がることを祈っている。

(平成22年9月号・広報とうま掲載コーナー・第87回随筆)