「近畿の夏に咲きほこった当麻中学校ソフトテニス部」(平成23年9月号)

 『君の夢 近畿の夏に 咲きほこれ』のテーマのもと、全国中学校ソフトテニス大会が、奈良県明日香村で開催された。当麻中学校女子ソフトテニス部の戦いは、会場を埋め尽くした全国のソフトテニスファンに、大きな感動を与えていた。
 昨年、一昨年と全国制覇した奈良大宇陀中学を準決勝で打ち破り、昨年準優勝の和歌山信愛女子短附中学相手に、見事な決勝戦であった。1勝1敗で迎えた第3ダブルス、セットポイントは3対3、最終セットのポイントは6対6、7ポイントで勝利決定、文字どおり最後の一本の戦いである。
 机上で描いても、これ以上のシナリオは思い浮かばないほど、スリリングな試合の展開。コートを囲む大観衆も、どちらも勝たせてあげたい、どっちも負けるな、両チームの死闘に拍手を惜しまない。試合途中、胸はドキドキ、目頭は熱くなるシーンの連続だったが、勝負が決っした時、私を含め応援する者の目に涙はなかった。それほど感動的であり、敗者も勝者も美しく輝いていた。両チームをたたえる拍手の嵐は、明日香の森にしばらく鳴り止むことはなかった。
 20名を越える当麻応援団の声援も、少なからず選手の背中を押していた(もう少し声を抑えてと主審から注意を受けたことはご愛敬)。 会場を往来する選手の背中には、それぞれの思い入れがプリントされている。「栄光に近道なし」「努力は才能を超える」「弱気は最大の敵、強気は最大の友」。
 閉会式、泉田主将の「それぞれのペアが全力で戦った。悔いはない」のコメントのとおり、選手たちの顔はさらに輝いていた。藤原審判委員長の講評が会場に響き渡る。「気迫あふれるプレーは見ている人に感動を与えてくれた。惜しくも準優勝だった当麻中学校、優勝チームに勝るとも劣らない実力だった」。
 翌朝の北海道新聞の記事は、喜びを上乗せさせる。 ”部活動で人間教育に力を入れる当麻。閉会式の成績発表で名前を読み上げられると、当麻の選手だけが「はい」と答え、メダルの授与では「ありがとうございました」。礼儀正しさは日本一だった”
 さわやかな感動を残し、当麻の夏は終わりを告げようとしている。

(平成23年9月号・広報とうま掲載コーナー・第97回随筆)