「4期目の当選に感謝して」(平成24年2月号掲載)

 不出馬表明から一転、ことのほか厳しい寒さの中での選挙戦であったが、町民の皆様は、4選目の町長として私を選んでいただいた。感謝の気持ちと、身の引き締まる思いでペンを走らせている。
 3期をもって退任する気持ちであったので、新年度予算にはほとんど手をつけておらず、当選後大急ぎでその作業に入っている。短期間での編成作業ではあるが、職員は私のまちづくりへの思いを共有してくれている。期間中も、たくさんの思いや願いの声を伺った。いい新年度予算を組めるものと期待している。
 某新聞社の編集委員の方がこんなお話をされていた。
 「震災前、人々にとってはまず何代にもわたって土づくりをしてきた ”土地” と清浄な ”水” があった。それで田や畑ができ、その上に家が建っていた。そうした家族が隣近所ごとに支え合い、夏祭りや盆踊りや収穫祭をやりながら暮らしてきた。それが地域であり、そうした地域が集まって構成されるのが自治体だった。これらはすべて一つにつながっていたのに、原発事故で一瞬のうちに引き裂かれ、土地を奪われ、家族も地域もばらばらにされたのだ」。
 何の責任もない人々が、理由もなく平和な生活を奪われ、夢が絶たれたことを思うと改めて心が痛む。
 5日間の遊説期間中、このことを思い起こしながら町内を廻らせていただいた。選挙戦であるので、もちろん不安はつきまとう。加えて今年の冬の寒さは特に厳しかった。でも、厳しければ厳しいほど、古里当麻町の景色と人々の心は温かった。
 純白の田畑にふりそそぐ朝日は、どこまでもキラキラと輝き、凍(い)てついた樹々は凛としてそびえ立っている。変わらない古里の景色に心いやされ、平和な日々に感謝しながら車窓から身を乗り出していた。
 いただいた声援は、「頑張(がんば)れよ、しっかりたのむぞ」との、メッセージである。一度、退任を決意した身。まさに、新人町長の心意気である。心新たに、「強く優しく温かい」まちづくりに、町民の皆様と共に歩んでいきたい。
 100回で終止符を打つ予定であった ”町長室の窓から” も、再びスタートラインについている。

(平成24年2月号・広報とうま掲載コーナー・第100回随筆)