フェイスブックに寄せられた6万人の〔いいね!〕(平成24年10月号掲載)

 ”私の兄は両手足の指が一本もない。私も一本しか指がない。
私たちが幼い頃は、出会う子どもたちから心ない言葉でからかわれた。ある時、隣家のおばさんが「悪口を言う人が、あなたの悪い所をみな持っていってくれるのよ」とおっしゃった。
 小学校に入り、いじめられるたび私は泣きながら「ありがとう」と言った。おばさんの言葉が支えだった。気味悪がられたのか、いつかいじめはなくなった。成人して、ジロジロ見る人に友人が腹を立てると、私は「美人だから見ているのよ」と笑う。
 現在、兄は大学非常勤講師。私は「楽しい人だ」と周囲に言われながら、福祉相談員として忙しい日々を送っています。今いじめられているあなた、どうか誰かに話して下さい。味方はたくさんいます。負けないで!”(一部略)

 いじめられっ子へのエールを込め、神奈川県大和市の織戸郁子さん(58)は、朝日新聞の「声」欄に投稿した。子どものころ「手なし」とからかわれたが、大津市のいじめ事件に心を痛め、自分を支えてくれた言葉を、悩んでいる子どもたちに伝えたいと……。
 掲載された投書を読み「涙した」という東京都調布市の永江一石さん(55)がフェイスブックで紹介すると、4日間で2千人を超すコメントが寄せられたという。
 「がきのころ、いじめしてた。この文章読んで決意した。次に会ったときは謝ろう」
 「学校の教科書に載せて欲しい」
〔いいね!〕と共感を示した人は6万人を越えたと報じている。
 その後も、埼玉県川越市では、同級生から暴行された生徒が、意識不明の重体。兵庫県川西市では、今月男子生徒が自殺と、深刻ないじめが相次いで表面化している。残念なことに、加害者のほとんどがいじめをしていたという認識を持っていないと伺う。
 相手の立場になって行動できなかったのかと問うのは無理かも知れないが、「思春期の子どもは相手の痛みに気づいて反省し、成長していく」という言葉を信じたい。
 織戸郁子さんの叫びのような「声」が、いじめという言葉を、一件でも消してくれることを祈っている。
 我が町も、町のホームページで8月からフェイスブックがスタートした。明るく楽しい話題を発信し、たくさんの〔いいね!〕が寄せられることを願っている。

(平成24年10月号・広報とうま掲載コーナー・第108回随筆)