「人のつながり 地域のつながり」(平成25年6月号掲載)

 町教育委員会では“確かな学び つながる喜び ひとが輝くまちづくりを目指して”を基本方針とした、当麻町第8次社会教育中期計画をまとめ上げた。つながりを大切に、明るく活力に満ちた地域社会を創り、町民一人ひとりが生きがいを持って暮らす社会教育の役割を力強く謳(うた)っている。
 町民から寄せられた、257名のアンケート結果も載せられているが、特に〈地域のつながりについて〉の評価項目には思わずハッとさせられる。
 「“地域のつながりを感じない・どちらかと言えば感じない”と思っている人は26%となる。この数値が多いか、少ないかは異論のあるところだが、次の質問の地域のつながりの変化では“強くなっている”が9%なのに対して“弱くなっている”は41%となり、地域のつながりの弱体化を感じている町民が随分多くなっている。しかし、次の質問でも分かるように、大多数の町民は地域のつながりは必要と感じている。今後は、人とひとのつながりや、地域づくりにつながる学習機会の提供に努めていくことが必要だ。」と指摘されている。十分心して、調査結果を検証していかなければならない。
 つながりと言えば、山田洋次監督の「男はつらいよ」を思い出す。正月映画として定着していた「寅さん」は、冬の季語になるほど国民に愛された作品である。
 短気でお人好しのフーテンの寅さんは、旅先で出会う美女に惚(ほ)れてしまい、美女も寅さんに好意を持つが、それは恋愛感情ではなくあくまでも好意であり、やがて美女の恋人が現れて寅さんは振られてしまう。また、夢破れて古里に帰る…。
 いつもお決まりのストーリーであるが、場面場面に人びとをホッとさせる何かがあった。それは、近所のつながりや家族のつながりが、国民の心を温かくしていたことに気付く。
 山田洋次監督は、喜劇の意味についてこう語られている。
 「悲しい出来事を涙ながらに訴えるのは易(やさ)しい。また、悲しい事を真面目(まじめ)な顔で物語るのもそう難しいことではない。しかし悲しい事を笑いながら語るのはとても困難なことである。だが、この住み辛(づら)い世の中にあっては、笑い話の形を借りてしか伝えられない真実というものがある。」重い言葉である。
 満1才を祝う絵本のプレゼントに始まり、満100才のお祝いの日まで、一つひとつの出会いとつながりを大切に、まちづくりを進めていかなければと思う。

(平成25年6月号・広報とうま掲載コーナー・第114回随筆)