「食育・木育・花育」=心育(平成25年11月号掲載)

 我が町は、全道屈指の米産地であり、野菜産地であり、花産地である。加えて、町有林約4000町歩を含む優良木材の産地でもある。町産業の柱であると同時に、それぞれの命をいただいて生活していることに感謝しなければいけない。このことを肝に銘じ、新年度からは「食育・木育・花育」をさらに強く進めていきたいと思う。
 春の寒さに耐え、夏の猛暑をしのぎ、秋にまばゆいばかりの黄金色に染まる田園風景は、稲の強い生命力に感動する。猫の額ほどの家庭菜園を経験してみて、店頭に並ぶでんすけすいか、キュウリ、トマトはまさに芸術品である。
 当麻米の人気の高まりは、誠にうれしい限りである。東京八王子市でお取り引きをいただいている(株)スーパーアルプスでは、なんと米販売数量の52%を当麻農協今摺米が占めるという。米購入のお客様のうち、2人に1人は当麻米を食べていただいていることに驚く。
 当麻産木材の活用についても今注目されている。近年、公共建築物に最大限町産材を活用しているが、地域で取れる資源を地元で活用することは当然の原理である。国の補助金を活用して取り組んでいる当麻町地域材活用促進事業も、マスコミ報道の効果と相まって、予想を大幅に超える人気である。ニュータウンとうまも、久し振りに活気づいている。
 全道一の品質と生産高を誇る“大雪の菊・大雪のバラ”も美しさを競う。「バラの命をいただくのだから消費者みなさんに感動を与えられるバラを作らないと花に申し訳ない。『立派に咲ききっておくれ』バラに話しかけながら育てている」…黄木実さんの言葉が心に残る。
 2カ年計画で、当麻山山麓に“ファミリーガーデン”を計画している。観光ガーデンというよりも、ファミリーで花に親しみ、優しさと思いやりをはぐくむガーデンに育ってほしいと願う。
 〈食〉という大切な命をいただき、風雪に耐え育った〈木〉を活用し、可憐(かれん)に咲き誇る〈花〉にいやされる当麻町。未来を担う子供たちと共に「食育・木育・花育」命の尊さをもう一度見つめ直していきたいと思う。

(平成25年11月号・広報とうま掲載コーナー・第119回随筆)