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新庁舎は令和を過ごす心の遺産 旧庁舎は大正ロマン漂う歴史の遺産(令和元年7月号掲載)

新庁舎で業務が始まって早1年3カ月、快適な環境の中で仕事ができることありがたい限りである。
その間、時代は平成から令和へと移り変わり、社会の空気も少し変わって来たように感じるのは気のせいばかりではないと思う。
新庁舎にご来庁いただいた方からはおおむね好評をいただいているが、一部ご指摘をうけることもあり、その都度内部協議を重ね改善に努めながら今日に至っている。
「ワンフロアーに職員が集っており活気のある職場雰囲気は感じとれるが、どこに誰が居るのか、どの場所に行ったら良いのか、庁舎に入った瞬間戸惑ってしまう」
ご意見を伺い、昨年12月1日より案内担当の専任職員を窓口に配置し来庁者サービスに努めている。
「机の配置が正面を向いているので全職員に見られている感じがする」
「私達が役場に行く時は、嬉しい相談で行くことはまれで、困ったこと、苦しい時、悲しい気持ちで訪れるのがほとんどです。そんな時、窓口以外の職員の目が自分の方に向いていると思うと気持ちが重くなる」
一つ一つの言葉に、自分では気付かなかった来庁者の心の動きを感じ取ることができた。
全職員で窓口の方へ向き、来庁者を迎え入れようとの思いに無理があることに気付かされた瞬間であった。
本年4月1日から、正面に向いていた机を横向きに配置変えさせていただいた。
明治・大正・昭和・平成・令和の時代とともに歩んだ役場である。
屯田開拓から127年。いつの時代も住民と向き合いながら歴史を刻んできた。
先人が植え育てていただいた大切な木材庁舎、あらためて気付かされることも数多い。町産材100%活用の純木造の庁舎は、令和の時代を過ごす心の遺産である。
また、郷土資料館として活用していた旧役場庁舎は、大正ロマン漂う歴史の遺産である。
屯田開拓の遺産を後世に残すべく、今、再活用の検討に入らせていただいている。
子どもたちの学びの場として、子育て中の若いご夫妻から高齢者の皆さままで、ひとときの憩いの場として整備し、先人への感謝と屯田の歴史を後世に伝えてまいりたい。
温かな空気が流れる室内には、学校帰りの子どもたちが集い、世代をつなぐ憩いの広場である。
窓ごしに見える屯田開拓兵の姿に往時のご苦労と開拓魂を偲び、足元を流れるせせらぎに優しさを感じとっていただけることを願っている。
まちが進めている心育の広場がまた一つ生まれようとしている。

(令和元年7月号・広報とうま掲載コーナー・第175回随筆)