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別れの時であり羽ばたきの卒業式-試練はさらに成長できるおきて-(平成31年4月号掲載)

弥生3月は別れと旅立ちの季節であるが、町内小中学校でも感動的な卒業式が執り行われた。
「町長室の窓から」で、卒業式の話題を取り上げさせていただくのは5度目であるが、9年間の生徒たちの頑張りに心打たれる場面の連続である。
当麻中学校の卒業式で祝辞の機会をいただいたので、柏ヶ丘だよりに書かれていた山村美勝校長の記事を引用させていただいた。
“中学校の卒業式は義務教育9年間の終了であり、今後の進路は自分で選択することを意味しています。これまでは、緩やかな階段を一歩、また一歩と確実に歩んできましたが、これから先に待ち受ける困難は、内容も規模もこれまでのものとは大きく異なることもあるでしょう。「神様は、乗り越えられない試練は与えない」ということが言われます。試練を乗り越えることは、今の自分をさらに成長させるものであり、あきらめることなく立ち向かってほしい”
私もそのとおりと思うので、卒業生の皆さまはこれからの人生で試練を恐れることなく、果敢にチャレンジしてほしいと述べさせていただいた。
8年前の3月11日、当日も当麻中学校の卒業式が執り行われ、私はこのステージでこの時刻に祝辞を述べさせていただいた。
卒業式の感動の余韻に浸りながら午後の執務に当っていたところ2時46分、東日本大震災が発生してしまった。
卒業式を待っていた校舎は津波に流され、卒業式を目前に控えていた中学生の仲間も津波にのみ込まれてしまった。
友達や親兄弟を失った悲しみはもとより、数々の試練を乗り越えて頑張っている仲間のことを心に留めて旅立ってほしい。
やがて柏ヶ丘にも美しい桜の季節を迎える。
桜の花芽は前年の夏に形成され、いったん眠りにつく。冬の寒さに一定期間さらされ耐え、春の陽気に目覚めて花を咲かせるという。
皆さんと同じように、自然も試練に耐えながら生きている。
卒業の皆さまが試練に立ち向かい、チャレンジする頑張りに町民は応援していると述べ、祝辞を結ばさせていただいた。
運動会・体育大会・学習発表会・学校祭と、小中学校行事の折々に顔を出させていただいたが、生徒と教職員皆さまとの触れ合いは、場面場面で心和ませていただいた。
時には兄のようであり姉のようでもある。父のようであり母のような温もりが伝わってくる。
その都度、いい学校でありいい町を実感させていただいたものである。
心の教育が学校から全町へ広がっていることは誠にうれしい。

(平成31年4月号・広報とうま掲載コーナー・第172回随筆)