きくの花でお別れ (株)なには花いちば大西一三さん(平成30年11月号掲載)

 (株)なには花いちば最高顧問大西一三さんのお別れ会が、去る10月3日大阪市内のホテルで執り行われた。
 我が町の花卉振興に多大なご尽力をいただいた方であり、私にとっても町長就任以来、19年間お付き合いいただいた大切な人である。
 「献花会場の祭壇には、故人が特に思い入れのあった菊をふんだんに使用し、菊祭壇復活の願いを込めたオリジナル祭壇とし、故人の花卉業界発展への強い思いを表現致しました」式次第に記されている奥田社長のあいさつどおり、故人がこよなく愛した満開の菊に囲まれ、大西さんは遺影の中で微笑んでいられた。
 あの日あの時、数々の思い出が走馬灯のように浮かび時間は流れていく。
ご遺族を代表された、ご子息のあいさつが参列者の胸を打つ。
 「親父は仕事一筋の人生で、家庭を顧みる時間はほとんど無かった。両親の世話をはじめお袋への負担は大きく、『お前には大変苦労を掛けてきた。大勢の人が寄る何かの機会に、必ず俺の口から、今までありがとうと感謝の気持を伝えるから理解してほしい』が、死んだ親父の口癖だった。
そんな親父は、約束も叶わず突然旅立ってしまった。
この席を借りて、親父に成り代り大勢の前でお袋に感謝の言葉を申し上げたい。いままで支えてくれて本当にありがとう!」
 800名を超える参列者から、一斉に拍手が沸き起こった。
大好きな大阪の地で、こよなく花を愛し、ゴルフに北新地に花を灯した良き人生だったと思う。
 “息子よよく言ってくれた”と、大西一三さんは会場のどこかではにかんでいたことだろう。
 (株)なには花いちば、大果大阪青果(株)、そして今回お取引きを開始させていただいた(株)関西スーパーマーケットと、当麻農業と大阪とのご縁に感謝しながら会場を後にした。
 思い起こせば、(株)スーパーアルプス松本清社長、丸果札幌青果(株)勇﨑元社長、(株)名古屋食糧則竹社長御母堂、釧路中央青果(株)横地敏光社長と、数多くのお別れの場面に参列させていただいた。
 当麻農業をご支援いただき、熱い思いを寄せていただいた方ばかりである。
 市場関係者の方々が、私を友人の一人として迎えてくれていることに感謝の念が募る。
 当麻農協の頑張りで、他産地と比べ特別なお心遣いをいただいていることは、日頃の取り引きの中で感じ取ることができる。
 当麻農業の応援団であり、まちづくりの応援団でもある。
 これからもご縁に感謝してまちづくりを進めてまいりたい。

(平成30年11月号・広報とうま掲載コーナー・第169回随筆)